生活インフラを支える製品を製造・販売する光陽産業株式会社。業界では知られた存在でも、学生に自社を知ってもらい、採用につなげることには難しさがありました。
採用未経験で担当を引き継いだ大貫さんも、スカウトを送っても反応が得られず、何を改善すればよいのか分からない状態だったといいます。
そこで導入したのが、Palace Consultingの「モノサシ採用」です。採用したい候補者像に立ち返ったスカウト文面の改善と、媒体を横断した助言を通じて、候補者からの反応だけでなく、担当者自身の考え方にも変化が生まれました。導入の背景と、採用活動が前進した過程を伺いました。
採用未経験で引き継ぎ、すべてが手探りだった
――事業内容と、大貫さんの役割を教えてください。
当社は、家庭用の都市ガス・プロパンガス向けガス栓の製造販売を主力とするメーカーです。水道用の継手、新幹線用のバルブ、医療用のコネクターなども手がけています。
従業員は全体で約350名、そのうち約300名が新潟県上越市の工場に在籍しています。本社は東京にあり、私は管理部の総務グループで、社内行事や設備修繕、採用・研修などを担当しています。
新卒採用では、私と本社の部長、上越の総務マネージャーが主に関わっています。私はスカウトの送信や、応募いただいた方との連絡など、採用窓口としての実務を担っています。
――モノサシ採用の導入前は、どのような状況でしたか。
大卒採用は年間3名を目標にしていましたが、導入前の26卒では、採用がゼロという状況でした。
大きな要因は二つあったと思います。一つは、採用活動の早期化を十分に認識できていなかったことです。3月の広報解禁に合わせてスカウトを送り始めていましたが、学生と接触すると、すでに内定を持っているという話が多くありました。
もう一つは、社内の採用ノウハウを十分に引き継げていなかったことです。私自身、それまで施工管理や商社の営業を経験してきましたが、総務も採用も初めてでした。スカウトの文章も、過去にうまくいった例などが分からず、一から考えていました。
媒体の担当者に相談しながら進めていたものの、ほとんどが手探りです。スカウトの受諾も得られず、「うまくいっていないけれど、どう改善すればよいかも分からない」という状態でした。気軽に相談できる相手が欲しかったですね。
媒体を横断し、率直に相談できる相手への期待
――導入のきっかけと、当初の印象を教えてください。
社長からの紹介がきっかけです。ちょうど理系学生向けのスカウト媒体を使い始めた時期で、どのような内容なら学生に響くのかを相談するようになりました。
正直、最初は「うまくいっていない中で、さらにやることが増えるのか」という抵抗感もありました。ただ、それ以上に、外部の視点からはっきり意見をもらえることに期待していました。
媒体の担当者に相談すると、基本的にはその媒体の中での話になります。モノサシ採用には、別の媒体を使う場合も含めてフラットに助言してもらえることを、期待していましたね。
実際に使ってみると、入力などの作業がそれほど大変だとは感じませんでした。むしろ、相談に対する返事が早く、具体的な改善案までいただけることが大きかったですね。
会社紹介から、「あなたに声をかけた理由」が伝わるスカウトへ
――スカウト文面は、どのように改善したのでしょうか。
最初に作っていたのは、冒頭で会社を紹介し、「登録情報を拝見してオファーしました」と伝え、その後に当社の強みや魅力、選考スケジュールを並べる文章でした。
それに対して、「企業紹介としては正しいけれど、採用したいペルソナに響く内容としては弱い」という指摘をいただきました。
採用したい学生像については、それまでにもお話しいただいていました。でも、実際の文章を書くときに、その相手を十分に意識できていなかったんです。
そこで、「こういう理由でスカウトを送りました」「あなたのこういう点が当社と合っています」と伝える書き方を提案していただきました。改善した文章の案もいただけたので、何を変えればよいかが具体的に分かりましたね。
別の打ち合わせでは、文面が長すぎるという指摘もありました。率直に言ってもらえるので、こちらも「確かにそうだな」と納得して、次の修正に進めるのはありがたいですね。
――改善後、学生からの反応に変化はありましたか。
文面について助言をいただいた後、テックオファーでスカウトの受諾が出てきました。年末頃に2名ほど受諾があり、年末から年明けにかけて、少しずつ反応が得られるようになりました。
文面の改善やリマインドなどが、よい影響を与えたのではないかと感じています。ただ、すべての媒体で成果が出たわけではありませんし、採用候補となる学生の人数も、まだ十分ではありません。
「これで成功です」と言える段階ではなく、今も途中です。それでも、反応がなかった頃に比べれば前進しています。改善の土台になるスカウト文面が一つできて、「これをベースに、次はこう変えてみよう」と考えられるようになったことには価値を感じています。
最も大きかったのは、次の改善策を考える習慣
――モノサシ採用で、特に価値を感じたことは何ですか。
私自身が、「うまくいっていないなら、次はどうしよう」と考えられるようになったことです。そこが一番大きなメリットだと思います。
以前は、相談して「文章は悪くないですよ」と言われると、そのまま受け止めて、次の改善策を考えずに進めてしまうことがありました。
今は、文章として問題がなくても、実際に反応が得られていないなら、何かを変えようと思えます。具体的なフィードバックをもらいながら、自分でも改善策を考えるようになりました。これは、導入前にはそこまで予想していなかった変化です。
媒体ごとの特徴に合わせた伝え方も考えています。例えば、新たに使い始めた媒体では、出身高校を手がかりに上越エリア出身の学生へアプローチできるので、「地元に戻って働きませんか」という伝え方もできます。
理系学生に仕事の内容を伝える場合と、地元とのつながりを伝える場合では、響く内容も違うはずです。「この学生には、こういう文章がよいのでは」と考えるようになりました。
学生との接点が生まれ、次の課題も見えてきた
――採用活動の進め方にも変化はありますか。
人事以外の部署にも協力してもらおう、という発想が出てきました。
当社が採用したい理系学生から、「自分の研究と御社の仕事には、どんな関係がありますか」と聞かれたとき、東京本社にいる私だけでは、開発現場のことを十分に答えられません。
それなら、その部署で実際に働く社員に話してもらうのがよいのではないか。特に若手社員が参加すれば、学生も自分の近い将来をイメージしやすいのではないかと考え、オープンカンパニーへの協力をお願いしようとしています。
今後は、学生との継続的な接点づくりも課題です。早期選考を始めたことで、内定を出してから承諾までの間や、承諾後にも、定期的に連絡を取る必要があると感じています。
ただ連絡するだけではなく、どんな情報を届けるか、何を話すかも考えなければいけません。学生との接点ができたからこそ、次に取り組むべきことが見えてきました。
待っているだけでは届かない企業に、外部の視点を
――モノサシ採用を検討している企業へ、メッセージをお願いします。
当社のように、学生からの知名度が高くない企業には、役立つのではないでしょうか。
当社は業界では知られていますが、学生がメーカーやインフラの仕事を考えたとき、ガス栓の会社がすぐに思い浮かぶわけではありません。採用サイトに載せて待つだけでなく、こちらから知ってもらう努力が必要です。
以前は私も、「知名度がないのだから仕方がない」と思うことがありました。でも、その環境の中でどう採用していくかを考える必要があります。
自分たちだけで戦略を考えるのではなく、外からフラットな目で見て、意見をくれる相手に頼る。それは、取り組み始めやすい方法だと思います。
何を変えればよいか分からず、採用活動が止まってしまっている。そんな担当者にとって、具体的な改善案をもらいながら次の一手を考えられるモノサシ採用は、心強い存在だと思います。
※所属・従業員数・採用活動の状況はインタビュー時点の情報です。発言は趣旨を保ち、読みやすさのために編集しています。








