事例紹介

Cases

経営企画室 人事戦略グループ 兵永和寛さん

人事評価制度を、現場で動く仕組みへ。社員と向き合う時間をつくる伴走支援

株式会社シーエスコミュニケーション
経営企画室 人事戦略グループ 兵永和寛さん

  • モノサシ採用
  • 人事評価運用支援

人事評価制度はある。それでも、目標設定の面談や上司とのすり合わせが、日々の業務の中で後回しになってしまう。株式会社シーエスコミュニケーションも、そんな運用上の課題を抱えていました。

同社がPalace Consultingと取り組んだのは、既存の評価制度を実際に運用できる状態にしていくこと。評価者向けガイドラインの作成や勉強会、関係者との対話を通じて、社員の成長を支える仕組みを現場に根づかせようとしています。

支援を受けて何が変わったのか。人事領域を担う兵永和寛さんに、当初の思いから現在の変化、これから目指す組織の姿まで伺いました。

制度はある。課題は、日々の運用にあった

――まず、事業内容と兵永さんのお仕事を教えてください。

当社は1998年創業のIT企業で、ネットワークインフラに特化した事業を展開しています。東京・大阪・名古屋・福岡に拠点があり、従業員は120名ほどです。

私は経営企画室の人事戦略グループに所属し、中途・新卒採用、組織の情報管理、人事評価制度の運用などを担当しています。グループの所属は私一人で、人事領域の実務を担っている形です。私の一存で何かを決めるというより、経営層や現場とやり取りしながら進めていく立場ですね。

――人事評価制度には、どのような課題があったのでしょうか。

今の制度は、2021年頃から運用を始めたと記憶しています。目標の達成度を見るMBO評価と、行動面を見るコンピテンシー評価を組み合わせたものです。

目標設定では、本人が考えた目標を上司とすり合わせ、さらに役員とも確認して確定する流れになっています。本人には、上司から期待されている役割を理解してほしい。上司にも、経営目標を踏まえて部下に何を期待するかを考えてほしい。そうした縦のつながりをつくることが、制度の狙いの一つでした。

ただ、仕組みがあっても、その通りに運用するのは簡単ではありません。目標自体は設定されていても、面談をせずに「それでいいよ」と進んでしまうことがありました。目標を決めるための対話が、十分に行われていなかったんです。

「やってください」だけでは進まない、現場の事情

――運用が難しかった背景には、何がありましたか。

上司も部下も、どうしても目の前の業務が優先になります。上司はプレイングマネージャーですし、多くの部下を持っている人もいます。社員によっては常駐先が違うので、日々の様子を把握しにくいこともあります。

本人と上司で話し、その後に役員との面談を調整する。その一つひとつに手間がかかる中で、誰が次に動くのか、誰がボールを持っているのかが分からなくなることもありました。

人事から「ここで止まっています」「進めてください」とリマインドはしていました。でも、それだけで動けるほど、皆さんに余裕があるわけではないんですよね。

人事評価は、社員本人の成長や、その先の昇級・昇格につなげていきたいものです。そのためにも、まずは今ある制度をきちんと運用し、実際にやってみて難しいところを拾っていく必要があると考えていました。

会社の事情を理解し、一つひとつ付き合ってくれる

――外部からの支援を受けることに、不安はありましたか。

正直に言うと、ありました。人事や組織のあるべき姿は、書籍などでも学べます。でも、多くの会社は「それができれば苦労しない」と感じているのではないでしょうか。

理論が大事なのは分かっています。ただ、外部の方が当社のやり方や事情を理解して、本当に付き合ってくれるのか。そこは気になっていました。宮地さんについても、最初から不安がなかったと言えば嘘になりますね。

――実際に支援が始まって、その印象はどう変わりましたか。

ありがたかったのは、一つひとつ、ちゃんと付き合ってくれることです。

支援の中では毎週ミーティングを行い、人事だけでなく、役員や関係者も巻き込んで進めてくれました。「なぜこれが必要なのか」「なぜこれをやるのか」を説明し、現場の声や役員の考えも、その場ですり合わせていく。関係者が理解した上で進められるので、人事としても動きやすくなりました。

宮地さんは、計画を立てて、継続的に旗を振ってくれるんです。私は、計画通りにコンスタントに進めることが得意ではないので、そこを伴走していただけるのは本当に助かっています。

理論を実現するための計画があり、その先まで飽きずに付き合ってくれる。そこがPalace Consultingの良さだと感じています。

ガイドラインと対話で、評価者の意識に変化

――評価制度の運用では、どのような取り組みを行いましたか。

評価者である上司層に向けて、ガイドラインを作り、勉強会を実施しました。

以前は、人事から一方的に「やってください」と伝えることが中心でした。今回は一度集まって、改めて説明する機会を設けたんです。その上で、不明点や難しいところがあれば、きちんと話し合う。そういう進め方になりました。

宮地さんは、必要なことを筋道立てて説明しながら、相手の「でも、実際はこうなんだよ」という声も受け止めてくれます。現場の事情を聞いた上でアドバイスしてくれるので、社員も納得して受け入れやすいのだと思います。

相手に合わせた伝え方も考えてくれますね。「この方はどんな方ですか」「どういう話し方がよいですか」と、人事にも相談してくれる。当社のことを理解しようとしてくれる姿勢が、信頼につながっていると感じます。

――取り組みを通じて、どのような変化を感じていますか。

支援が入った目標設定のサイクルでは、皆さんが動いてくださり、ほぼ完了することができました。

ただ、以前から目標設定そのものは完了していたので、変化を感じているのは、その過程です。面談をせずに決めていたところから、きちんと話をして進める機会が増えたと感じています。

面談の実施率を正確に測る仕組みはないため、数字ではお伝えしづらいのですが、上司の意識には変化がありました。ガイドラインや勉強会を通じて、人事評価のことを頭に置いてもらう機会ができた。「まだ終わっていないな」「やらなければいけないな」と意識してもらえるようになったことは、一つの前進だと思います。

もちろん、毎回すべてが順調に進むわけではありません。まだ課題はありますし、引き続き取り組んでいるところです。

人事評価を通じて、社員を見られる組織へ

――これから、どのような組織を目指していきたいですか。

上司が部下をきちんと見て、コミュニケーションを取れること。そして、上司と役員も話しやすく、意見を出しやすいこと。そうしたつながりができれば、目標設定も、もっとスムーズになると思います。

そのためには、上司一人に部下が集中しすぎていないかなど、負担のかかり方も考える必要があります。皆さんがプレイングマネージャーとして働いている中で、少しでも無理なく進められる状態をつくっていきたいですね。

評価の手続きを終えるだけでなく、上司が部下を見て、期待する役割を伝え、成長につなげる。今の制度には、そうした組織をつくるための意味があると考えています。

一緒に組織をよくしたい人事担当者に

――Palace Consultingの支援は、どのような企業に合うと思いますか。

人事課題は、ほとんどの企業にあると思います。ただ、経営者一人が頑張るだけでは、組織はよくなりません。人事担当者も「この会社の人事を何とかしたい」「組織をよくしたい」と思って、一緒に取り組むことが大事だと思います。

外部の支援を入れたからといって、すぐに何でも解決するわけではありません。経営層、人事、社員、そして支援会社。その四者がうまく機能する必要があります。宮地さんは、その間をうまく調整してくれる方ですね。

会社のこと、人事のこと、私自身のことまで、よく気にかけてくれるんです。そういう、人が関わるからこそできる部分に価値を感じています。

自分たちも動きながら組織をよくしていきたい。その過程に付き合ってくれる相手を求めている企業には、合うのではないでしょうか。

※所属・従業員数・制度の運用状況はインタビュー時点(2026年8月)の情報です。発言は趣旨を保ち、読みやすさのために編集しています。